あらすじ
勇者を決める《聖剣選定》の日。
誰もが見守る中、青年は聖剣に触れ――何も起こらなかった。
選ばれたのは別の者。
期待されていたわけでもない。特別な才能があるわけでもない。
落選した彼は「まあ、こんなものだろう」と諦め、いつもの家へ帰る。
ところが。
「……なんでお前が、うちの玄関にいるんだよ」
選定会場に安置されているはずの伝説の聖剣《アルセリア》が、なぜか彼の家の玄関で待っていた。
返そうとしても戻らない。
置いていってもついてくる。
そして聖剣は、まるで最初から彼こそが自分の持ち主だったと言わんばかりに離れようとしない。
一方、王国では聖剣消失の大騒動が始まっていた。
これは、聖剣に選ばれなかったはずの男と、そんな彼を勝手に選んで家まで押しかけてきた聖剣から始まる物語。