あらすじ
高校を卒業し、探索者になった朝倉蓮には致命的な問題があった。
ダンジョンに入れない。
入口は開いている。
他の探索者たちは普通に通れる。
資格も装備も問題ない。
なのに蓮が足を踏み入れようとした瞬間だけ、ダンジョンの入口が閉じるのだ。
何度試しても結果は同じ。
やがて周囲からは、
「ダンジョンにすら拒絶された男」
「探索者として終わっている」
と笑われるようになった。
蓮自身も、自分には探索者の才能がないのだと思い始めていた。
――ある日までは。
誰もいない深夜、いつものように閉ざされたダンジョンの前に立った蓮の耳へ、不思議な声が届く。
『お願い……助けて』
その声を発したのは、人間ではなかった。
世界中でただ一つ、蓮を拒絶しないダンジョン。
そして蓮がその内部へ足を踏み入れた瞬間、これまで彼を拒み続けていた理由が少しずつ明らかになっていく。
ダンジョンは蓮を嫌っていたのではない。
恐れていたのだ。
これは、ダンジョンに入れてもらえなかった最低評価の新人探索者が、やがて世界中のダンジョンから最も恐れられ、そして最も必要とされる存在になっていく物語。