あらすじ
東京の文具メーカーで商品企画を担当する二十九歳の田中彩葉は、自分が三年間育ててきた新商品企画の中止を告げられる。採算が取れないと厳しく指摘したのは、法人営業の佐藤直人。数字ばかりを優先する冷たい人――彩葉はそう思っていた。
ところが、最後の再提案を認めてもらう条件として、二人は一か月間同じプロジェクトで働くことになる。
衝突を重ねながら取引先を回り、残業後の給湯室で冷めたコーヒーを飲むうちに、彩葉は直人が誰よりも企画の可能性を信じていたことを知る。しかし、プロジェクトの採否が決まる日、直人の福岡支店への異動も発表される。
仕事を選べば恋を失い、恋を選べば自分の夢を諦めるのか。大人になってから始まる恋と、好きな人のために人生を狭めないという選択を描く、現代職場恋愛短編。