あらすじ
物語の始まりは一一六七年。
平安時代の終焉、京都の宮廷の栄華に政治的動乱の影が落とし始めのころ。
天照大御神に仕える最高の巫女――伊勢の斎王としての務めを終え、章子(しょうし)内親王は京の都へと呼び戻された。
「朝(あさ)」
という名を持つ彼女は、人智を超えた清らかな心を持ち、その祈りは常に奇跡をもたらすと言われていた。
しかし、彼女自身は自らに特別な力があるとは決して思わず、すべては神々の御心に過ぎないと考えていた。
都に戻った彼女を待ち受けていたのは、渦巻く宮廷の陰謀と、ある帝の側室との予期せぬ深い絆だった。
源平合戦の種が芽吹き、古き良き世界がゆっくりと崩壊へと向かう中、彼女は神々の意思と、ひとつの人間の心が交錯する過酷な運命に立ち向かうことになる。
これは、愛と信仰、正式な歴史の裏側で、平安の終わりから鎌倉幕府の誕生へと続く激動の時代を駆け抜けた二人の少女の織りなす大河歴史ファンタジー。