あらすじ

王国最北端、ヴァルデン地方の都市ルーエン。父を亡くした時計技師アベルは、母と二人でこの街へ移り住み、穏やかな生活を始めていた。 しかし戦争の気配が近づき、ルーエンが軍需拠点となった頃から、兵士たちの間で奇妙な噂が流れ始める。 帝国軍の襲撃を逃れ、母の故郷である山間の村へ避難したアベルは、そこで毎日欠かさず二人分の食事を供える古い祈り所を目にする。村人たちは、それを「食べ物を公平に分けることを教えたヴァルデンの神」への供物だという。 やがて戦争によって食料の管理が崩れ、百年近く守られてきた供物の習慣が途切れる。すると神と呼ばれていたものが、不平等な食卓を襲い始める。 母の故郷に残された古い習わしと、百年前の記録を辿るアベル。なぜ神は人を襲うのか。なぜそれほどまでに「食卓」に執着するのか。村を離れ、ルーエンへまで広がった怪奇現象を鎮めるため、アベルはヴァルデン地方で語り継がれてきた「正しい食卓」の意味を探る、異世界土着ホラー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/08/30
  • 現在の作品ヴァルデン地方の正しい食卓