あらすじ
仕事でミスをして、上司から告げられた「周りに迷惑をかけている」という言葉。
同じ頃、従姉の華々しい活躍を知らせるニュースを目にした南梨花は、誰にも「つらい」と言えないまま、ひとり帰路についていた。
そんな彼女を突然の雨が襲う。
雨宿りの途中で見つけたのは、暖かな灯りをともす小さな店
Shisha Cafe & Bar Hope
そこで出会った大学生のスタッフ・藤沢昴之は、ずぶ濡れの梨花を店に招き入れ、温かなハーブティーと、甘い香りのシーシャを差し出す。
ベルガモット、ハニー、バニラ。
ゆっくりと漂う白い煙の向こうで、張りつめていた梨花の心は、少しずつ解けていく。
「じゃあ今日は、南さんにぴったりの魔法をかけますね」
それは、最悪だった一日をほんの少しだけ変えてくれた、小さな魔法。
そして梨花は、まだ知らない。
偶然たどり着いたこの場所が、いつしかかけがえのない居場所になることを。
甘い煙の向こうで出会った人たちが、止まっていた彼女の時間を、少しずつ動かしていくことをーー。