あらすじ
僕は「電気屋」を捕まえる。
マトリより。
警視庁より。
先に。
すべては、宇佐美俊介がついた小さな嘘から始まった。
事件の夜、どこにいたのか。
刑事にそう訊かれた宇佐美は、上司であり恋人でもある九我正語の部屋にいたことを隠してしまう。
やがて、その事件の裏に“電気屋”と呼ばれる麻薬組織の大物がいると知った宇佐美は、警視庁へ出向中の先輩・石黒に相談する。
だが返ってきたのは、
「よそのシマに首を突っ込むな」
という警告だった。
それでも宇佐美は、ひとりで「電気屋」を追い始める。
そして辿り着いたのは、自己啓発セミナーを主宰するカリスマ講師・天音修。
彼に近づく宇佐美は、まだ知らない。
自分が追っている男もまた、宇佐美を見ていることを。
【登場人物】
宇佐美俊介
警察庁入庁三年目の警部。本作の主人公。とっさについた小さな嘘をきっかけに、独自に「電気屋」を追い始める。
九我正語
宇佐美の上司であり、恋人。宇佐美が勝手に危険なところに首を突っ込むたび、頭を悩ませている。
九我正見
正語の兄。医師。ひょんなことから、宇佐美の「電気屋」捜しに協力することになる。
天音修
自己啓発セミナー「LSP(ライフシフト・プロジェクト)」の会長。カリスマ講師として、多くの信奉者を集めている。
天音智慧
臨床心理士。LSPの講師で、修の妻。
堂本司
宇佐美が上京して最初にできた友人。大塚界隈を取り仕切る顔役。かつては親しかったが、宇佐美が警察官になってから距離を置いている。
あーちゃん
宇佐美と司が出会った、お食事処「こまどり」の女将。二人を昔から知る。
久遠院志津子
エンジェル投資家。何かと宇佐美を気にかけている。
久遠院葵
志津子の息子。
電気屋
マトリや警視庁組対五課がマークする、麻薬組織の大物。電気ショックを使った拷問を好むという噂から、「電気屋」の仇名で呼ばれている。正体は不明。
誤字脱字チェックにAIを使っています。
エブリスタにも掲載しています。