あらすじ

三年に及んだ戦争が、講和条約の調印で終わった。条件はただひとつ、敵国の軍港を攻撃しないこと。 だがその軍港へは、四十日前に一隻の原子力潜水艦「海嶺」が送り出されていた。艦長の鷹野は、共和国で最も「見つからない」男だ。彼は、偽の命令で味方が沈められた過去の教訓から、電波で届く中止命令をすべて敵の欺瞞として退ける。 攻撃予定時刻まで、あと十一日。認証鍵の実物を届けるため、旧式潜水艦「白潮」が敵の海へ向かう。艦長の氷室は、かつて鷹野の副長だった男だ。艦首には、音で魚雷を撃ち砕く試作兵器「鳴神」を積んでいる。艦内には、敵国の講和連絡将校が同乗している。 行く手を阻むのは、講和を信じない敵の対潜戦隊。そして最後に待つのは、平和を守るために撃ってくる、かつての恩師だった。 撃ち返せば、講和は終わる。 百五十本の魚雷を積みながら、一本も撃たずに届けなければならない言葉がある。 音響ハードキル、純鉛高速炉、超電導推進。緻密な技術描写で描く、沈黙の海の軍事SF。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/09/20
  • 現在の作品停戦の深度