あらすじ
十八歳の春。
孤児院を出るレオンが手にしていたのは、みんなが内職で貯めてくれた十銀貨と、幼馴染のマルクが貸してくれた二銀貨。
合わせて、十二銀貨。
仕事はない。
家もない。
商売の経験なんて、もちろんない。
それでもレオンには夢があった。
「商人になって、儲けたい」
王都で鉄くずを仕入れて鉱山都市へ。
塩を積んで農村へ。
やがて手押し車を引き、馬車を走らせ、少しずつ交易の道を広げていく。
安く買えば儲かると思って失敗する。
売れた商品を仕入れすぎて余らせる。
人に仕事を任せたくせに口を出す。
そして儲け話を見つけた日に限って、困っている人を見つけてしまう。
これは、特別な力も未来の知識も持たない十八歳の若者が、失敗し、人と出会い、商売を覚えていく物語。
売るのは商品。
積み上がっていくのは、どうやらそれだけではないらしい。