あらすじ
「イスラム! いつまで寝てるの!」
四十九歳で死んだはずの俺が目を覚ますと、十六歳の少年になっていた。
しかも今世の名前は――イスラム。
剣は使えない。火も出せない。
目覚めた能力《つなぐ》も、同意した相手の感覚や手ごたえを、別の誰かへ渡せるだけ。
俺一人では、何の役にも立たない。
ところが、水路職人と魔法道具職人をつないだら、七年止まっていた町の水が噴き出した。
水が戻れば、旅人が戻る。
商売が戻る。
閉じた店に灯りがともる。
昨日まで町を襲っていた男たちまで、今では屋根の上から煮込みを配達している。
俺が最強になったわけじゃない。
なのに、町の方がどんどん強くなっていく。
そんなハルザへ現れたのは、大勢の力を一人へ集める《集める》を持つ領主サラディン。
人と人をつなぐ町と、すべてを一人へ集める男。
そしてサラディンは考える。
――町を止めるなら、中心にいるイスラムを倒せばいい。
全8話/約1.8万字
9月22日完結予定