あらすじ
ダンジョン専門の避難誘導員、丹野圭。
能力は、地上への逃げ道を作る【非常口】。
通せるのは、自分の手で触れた相手だけ。
自分が通れば、扉は閉じる。
だから圭は、いつも最後に帰る。
ある日、救助を待つ列の最後尾に、子供を抱えた階層ボスが並んでいた。
「……俺たちも、出ていいのか」
連れ帰った先は、避難場所として貸し出している実家の元食堂。
巨大なボスは椅子を壊さないよう床に座り、四本の腕で小さなコップを持った。
しかし、彼が差し出した地図には、攻略情報に載っていない町が描かれていた。
学校。パン屋。配給所。
そして、まだ逃げられずにいる住民たち。
倒せば英雄。
助けたら、明日からの飯を考えなければならない。
攻撃スキルのない避難誘導員と、帰る場所をなくしたボスたちの、救助と暮らしの現代ファンタジー。