あらすじ
高校二年の春、東京に転校してきた久瀬玲央には、秘密がある。
隣の席の少女——鷺沢澄佳に、恋をしてしまったことだ。
クールで、頭のいい、近寄りがたい美少女。
話しかける勇気すらない玲央が頼ったのは、匿名の恋愛相談アプリだった。
相談相手の名前は「先生」。
顔も名前も知らない、夜の画面の向こうの誰か。
『まずは、その子の名前を呼んでみてください』
『大丈夫。その子は、あなたが思うよりずっと優しいですよ』
先生のアドバイスはいつも的確で、少しずつ、澄佳との距離は縮まっていく。
——けれど玲央は知らない。
「先生」が、昼は隣の席で授業を受けている澄佳本人だということを。
そして澄佳は、もっと大切なことを知ってしまっていた。
玲央が「先生」に打ち明ける好きな人の正体が、自分自身だということを。
『……ほんと、なんで気づかないかなぁ』
画面の向こうでは冷静な先生。隣の席では無愛想な美少女。
相談に乗るたび、励ますたび、彼女自身が一番恋に落ちていく。
気づいた時には、もう「先生」をやめられなくなっていた。
これは、誰よりも近い二人が、誰にも言えない秘密の関係から始まる、じれったくて甘い青春ラブコメディ。