あらすじ

夏休みの読書感想文を書くため、市立図書館を訪れた女子高生。  そこで偶然見つけたのは、子供の頃に読んだ一冊の古い本だった。  懐かしくなってページをめくり、昔とは違って見える物語への感想を、何気なくノートの切れ端に書き残す。  けれど彼女は、その紙を本に挟んだまま忘れてしまう。  三日後。  慌てて図書館へ戻った彼女が本を開くと、そこには見知らぬ誰かからの返事が挟まっていた。  名前も知らない。  顔も知らない。  声も、年齢も、性別さえも知らない。  分かるのは、その人が同じ本を読み、同じようなことを感じていたということだけ。  やがて一冊の古い本は、二人だけの小さな郵便箱になっていく。  誰かに話すほどでもない、ほんの些細な出来事。  それなのに彼女はいつしか、何かを見つけるたび、その人に伝えたいと思うようになっていた。  名前も顔も知らないあなたへ。  次の金曜日も、また返事を書こう。  そう思っていた――。

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カクヨム
カクヨム2026/09/19
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