あらすじ
高瀬悠真(たかせ ゆうま)、20歳。
都内の大学に通う彼の日常は、少し変わっているものの、ごく平凡なものだった。
四歳年上の従姉・一ノ瀬怜奈(いちのせ れいな)との二人暮らし。
料理上手な幼馴染・美咲(みさき)。
距離の近い先輩・夏希(なつき)。
ドイツからやって来た留学生・クララ(Clara)。
言葉にすることが苦手な天才後輩・紫苑(しおん)。
そして、好奇心のまま悠真を振り回すバイト先の先輩・陽菜(ひな)。
大学へ行き、友人と笑い、時には誰かに振り回される。
そんな日々が、これからも続いていく。
悠真は、そう思っていた。
――秋のある日。
バイト帰りの悠真と陽菜は、昨日まで存在しなかったはずの一本の路地を見つける。
地図にはない道。
狂うGPS。
消える街の音。
そして、その先に広がっていたのは、この世界ではない風景だった。
その出来事を怜奈へ伝えた瞬間。
彼女は、それまで悠真が見たことのない表情で呟く。
「……早すぎる」
やがて怜奈によって集められる六人。
そこで彼女が告げたのは、あまりにも荒唐無稽な未来だった。
「人類は滅亡する」
その日は――12月25日。
疫病。
異世界からの侵攻。
地球外文明。
人類自身が生み出す破局。
そして、重なり始める複数の世界。
異なる形で迫る滅亡の裏には、ひとつの巨大な異常が存在していた。
そして悠真にもまた、本人さえ知らなかった力が眠っていた。
それは誰かを支配する力でも、世界を一人で救う力でもない。
人の中に眠っている「可能性」と共鳴し、
本来なら届かなかった未来を、現実へ近づける力。
何度世界が終わっても、12月25日より先へ進めない怜奈。
まだ未来を知らない悠真。
そして、それぞれ異なる可能性を秘めた五人の少女たち。
これは、世界最強の英雄の物語ではない。
未来を知る者と、
未知を理解する者と、
生命を読む者と、
異世界を歩く者と、
未来の可能性を探す者と、
世界の境界へ触れる者。
そして――
彼女たちの可能性を、現実へと近づける一人の青年。
七人が、それぞれの意思で「明日」を選ぶ物語。
誰も見たことのない、
12月26日へ辿り着くために。