あらすじ
「君との婚約を破棄したい。エミリア嬢と結婚することにした」
笑い方に品がないと言われてから、人前で扇を手放せなくなったセシル。
好きな人に嫌われたくなくて頑張った二年間は、突然終わってしまった。
その日の午後、顔見知りの騎士オスカーが訪ねてくる。
泣いている私を、気の毒に思っているのだろう。
そう思ったのに、彼は真面目な顔で告げた。
「以前から、あなたが好きでした」
「これから、笑わせる役を、私にください」
まだ悲しい。それでも、一緒に喜劇を見に行く約束が嬉しい。
けれど劇場で元婚約者に会うと、「この前は、あんなに泣いていたのに」と言われて――。
失恋した令嬢が、自分の笑い声と新しい恋を取り戻すお話。