あらすじ
『発車ベルが鳴る前に』の、そのあと。
吹奏楽から離れ、父の跡を継ぐために歯学部へ進んだ松岡蒼。
優菜との再会をきっかけに、逃げていた音楽とも、自分の将来とも、少しずつ向き合えるようになった。
でも、青春はそこで終わらなかった。
模型実習、臨床、留年への恐怖、歯科医師になるということ。
少し特殊な「歯学部」という世界で始まる、新しい毎日。
そこで蒼が出会うのは、クールで仕事ができて、一見冷たそうな同級生・白石紗良。
「松岡、そこ私の席」
「犬歯折った人でしょ?」
容赦のない紗良に振り回されながら、蒼は少しずつ彼女の意外な一面を知っていく。
そして、いつも一緒にいる男子同級生・宮坂怜と瀬尾湊にも、誰にも言えない想いがあって――。
優菜を想う気持ちは変わらない。
でも、誰かと出会えば心は動く。
恋も、友情も、進路も、患者さんとの出会いも。
歯科では「正しい噛み合わせ」を探せても、人と人との関係に正解なんてない。
発車ベルが鳴ったあとにも、青春は続いていた。
これは、歯科医師の卵たちが、不器用に人を好きになり、自分の道を探していく物語。
歯学部は、恋も友情も噛み合わせがむずかしい。
『発車ベルが鳴ったあとに ―歯学部青春編―』
次の音は、まだ決まっていない。