あらすじ
私は外の世界を知らない。
資源豊かな小国の第1王女として生まれた私は、大国への政略結婚の道具として育てられてきた。
まるで大切に大切に加工されて売り出されていく商品のように、私は王女でありながら、読み書きや料理、洗濯など様々な物事を教えられ、子供らしい遊びもさせて貰えないのも当たり前だった。
もちろん、何かあっては不味いと、城の外に出ることも許されない。
そんな私にとって唯一の楽しみは、自室に戻った際に本を読むこと。
亡くなった女王である母が残した本に書かれた恋物語は、いずれ誰とも分からぬ相手に嫁ぐ私にとって、とても眩しく、非現実的な、憧れの世界。
どうせ私は本に書かれた物語のような結末になりはしないと思いながらも、いつもその本を読んで夢を見て眠りに就く。
それが私の変わらぬ毎日だった。
◇◆◇◆
そんな私が16歳になり、とうとう隣国の大国に嫁ぐ事となる。
城の宰相や国王である、お父様たちが忙しなくなっている中、私は窓から眺める事しかなかった外の世界に行けることに、少しワクワクしていた。
私は王宮直属の兵士たちに護衛されながら馬車に乗り込み、まだ見ぬ婚約者の元へと向かって行く。