あらすじ
「剣が抜けない? だったら、台座ごと持っていきます!」
洪水で孤立した故郷に、魔物の群れが迫っている。
母も妹も、まだ村にいる。
頼みの聖剣は――十九歳の豆農家トマが、どんなに引っ張っても抜けなかった。
ところが、この剣。刺さったままでも魔物を追い払えるらしい。
必要なのは、選ばれし勇者。……ではなく、頑丈な荷車!?
幼なじみのミナ、石運び屋のガンツとともに、重すぎる聖剣を積んで出発!
しかし橋は重さに耐えられず、山道では車輪が埋まる。剣は涼しい顔で光るだけ。運ぶ三人は、もう汗だくだ!
抜けない。持ち上がらない。それでも、待っている人がいる。
洪水と魔物に囲まれた村へ、この剣を届けられるか?
剣の切れ味より荷車の頑丈さがものをいう、泥まみれの救出冒険譚!