あらすじ
侯爵令嬢エリシアは、王宮文官と魔術師を兼任する才女だった。
彼女が特に気にかけていたのは、十一歳の王子アレク。年下の学友である彼を弟のようにかわいがり、ともに穏やかな日々を過ごしていた。
ところが魔獣に襲われた際、エリシアはアレクを守るために転移魔術を発動した。
次に目を覚ましたのは、見知らぬ町の教会だった。
自分の身に何が起きたのか分からないまま、リシアと名乗って教会に身を寄せた彼女は、やがて驚くべき事実を知る。
あの日から、すでに十年が経っていたのだ。
あのときの姿のまま十年後の世界に来てしまったリシアは、魔力も身分を証明するものも失っていた。
アレクは無事なのか。自分のことを覚えているのか。
不安を抱えながら王都へ向かい、文官見習いとなったリシアは、王宮でついにアレクと再会する。
小さな王子様は、立派な青年へと成長していた。
「リシア、会いたかった。僕はずっと待っていたんだよ」
忘れられているかもしれないと恐れていたリシアに対し、アレクは十年間、一日たりとも彼女を忘れていなかった。それどころか、もう二度と離さないと抱きしめてきた。
「10年後にもどってきた少女に愛がふりそそがれる 」を加筆、改稿したものです。