あらすじ
母も祖母も、同じ公爵家と結婚して離婚した。
だからエレナも、そうする予定だった。
貴族の婚姻・血統・契約を扱う王立系譜院で働く伯爵令嬢エレナ・マロルト。
北方を守るグレドフ公爵家には、代替わりのたび一度だけ正式な妻を必要とする古い「呪い」があり、その妻を代々務めてきたのがマロルト家の女性だった。
今回の結婚相手は、若き公爵アレクシス・グレドフ。
役目が終われば円満離婚。それだけのはずだった。
ところがアレクシスは、エレナの仕事も能力も一人の専門家として尊重してくれる、思いのほか誠実な人だった。
好きになってはいけない。
どうせ別れるのだから。
そう思うほど彼に惹かれていく中、予定されていた離婚の日がやってくる。
母も祖母も簡単に解除できた婚姻契約。
当然、自分にもできるはずだった。
――なのに、切れない。
こうして二人は、離婚するために夫婦を続けながら、「なぜ自分たちだけ離婚できないのか」を調べることになる。
これは、家に決められた結婚から始まった二人が、自分たちの意思で人生と相手を選ぶまでのお話。