あらすじ
好きなものを書いた。売れなかった。
流行に寄せた。売れなかった。
開き直って長いタイトルで釣ろうとした。やっぱり売れなかった。
デビュー三年目、三シリーズ打ち切り。
商業ラノベ作家・三枝悠人は、とうとう「媚びたのに売れない」という最悪の現実にぶつかる。
そんな彼の前に現れたのは、二十歳にして重版、コミカライズ、アニメ企画まで決まっている天才作家・九条栞。
「三枝さんのデビュー作、好きです」
「……なんで知ってるの」
「好きだからです。でも、売れないと思いました」
「帰ってくれない?」
好きなものを書いても届かない男と、何を書いても届いてしまう女。
互いの原稿を読み、才能差に傷つき、嫉妬して、それでもまた書く。
埋まらない才能差の向こうで、二人は「それでも書く理由」を探していく。