あらすじ
ゲームの中なら、俺は世界一だった。
FPS世界ランキング1位――通称《神眼のエイイチ》。
敵の位置を読み、数百メートル先から頭を撃ち抜く。
そんな化け物じみた腕前を持つ多田野英一は、現実では高校卒業後の就職に失敗し、部屋に引きこもってゲームだけを続けていた。
しかし、ある夜。
一匹の猫を助けたことで命を落とした英一は、女神からユニークスキル【FPSシステム】を授けられ、剣と魔法の異世界へ転生する。
視界にはミニマップ。
手には愛用していた銃。
そして、生物の頭上には――赤・黄・青のマーカー。
「……これ、ゲームと同じじゃねえか」
魔物の群れだろうが、巨大なオーガだろうが関係ない。
世界ランキング1位のエイムに、異世界の常識など通用しない。
そんな英一が出会ったのは、借金まみれの工房を一人で守るドワーフの少女・マミユだった。
FPSしか取り柄がなかった引きこもりと、父の工房を守りたい少女。
二人が出会ったとき、英一の人生は初めて動き始める。
だが――。
「これはゲームじゃありません!」
敵を示す《赤マーカー》を信じ、ためらいなく引き金を引いた英一を待っていたのは、経験値でも報酬でもなかった。
自分を信じてくれていた少女のマーカーが、
《青》から《黄》へ変わる瞬間だった。
これは、FPS世界1位だった引きこもりが、
銃では撃ち抜けない「異世界」と「人の心」を攻略していく物語。