あらすじ
「明日、皆の前でリリアナに謝れ。嫌なら婚約は破棄だ」
そう言い放つ婚約者の第二王子ユリウスに、公爵令嬢セシリアは冷めた目を向ける。
常日頃からユリウスは他国からの留学生リリアナを優先し、セシリアとの約束を平然と反故にし続けていた。
「リリアナが泣いているから、今日の茶会は延期だ」 「君は公爵令嬢なんだから、もっと寛大になれないのか?」
「あの子は繊細なんだ。君みたいに何でも一人でできる強い女じゃないんだから」
そして放課後のサロン。 リリアナの破れた教科書がなぜかセシリアの鞄から引っ張り出された瞬間、セシリアはふと思う。
(…………これ、私が悪役に仕立て上げられる流れじゃない?)
弁明を聞く気など微塵もなく、「大講堂で頭を下げろ」と尊大に迫る婚約者に、セシリアははっきりと言い放つ。
「婚約の件、承知いたしました」
その日の夜のうちに退学届を叩きつけ、荷物をまとめて南の温泉地へ電光石火で逃亡したセシリア。
一方の王都では、「謝罪するはずの悪役」が消えたことで、王子たちの茶番劇が盛大に自滅を始めていて――?
悪役に仕立て上げられそうになった公爵令嬢が、言いがかりを全スルーしてさっさと温泉を満喫し、逃げ先で出会った第一王子に囲い込まれる話です。