あらすじ
「皆さん、本日はよくお越しくださいました。さて、堅苦しい挨拶は抜きにして、さっそく私の発明品をご覧に入れましょう」
壇上に立つ博士は穏やかな笑みを浮かべながらそう言うと、ゆっくりと振り返り、背後に手を向けた。そこには紺色の厚い布に覆われた物体が鎮座していた。大きさはおよそ冷蔵庫ほど。しかし布越しに浮かび上がる輪郭だけでは何なのか見当がつかず、会場には期待と訝しさが入り混じった囁き声が静かに広がった。
博士が手でくいっ、くいっと合図すると、袖に控えていた白いツナギ姿の短髪の青年が歩み寄り、布の端を掴んで一気に引き剥がした。現れたのは何かの装置らしい。中央に鈍い光沢を放つ金属製の球体が据えられ、その周囲を惑星儀を思わせる複数の環が取り囲んでいた。精密機器のようにも見えれば、天体の観測装置のようにも見えた。
「こちらは私が開発した人間の運を測定する装置です」