あらすじ
皆瀬菜月は、目立つことを嫌う普通の女子高生――を演じている。成績はほどほど。友人とは適度な距離を保ち、誰にも深く踏み込ませない。けれど、その裏の顔は、金と情報が飛び交う世界で生きる「情報屋」だった。ある日、菜月のもとへ持ち込まれたのは、街の治安を守り、人々から厚い信頼を集める学生組織「ナイツ」に関する依頼。組織の内部に、情報を流している人間がいるという。本来なら関わるつもりなどなかった。それでも調査を始めた菜月は、やがて偽りの身分を作り、自らナイツの内部へ潜り込むことになる。正義を掲げる者。正義に救われた者。正義に縛られた者。そして、その正義を外側から見つめる者。誰かにとって正しい選択が、別の誰かにとっても正しいとは限らない。信頼も、友情も、裏切りも、執着も。それぞれの思惑が混ざり合ったとき、盤石に見えた組織は少しずつ形を変えていく。これは、普通ではない少女と、正義を掲げた少年たちの物語。そして、一つの組織が崩れていくまでの話。