あらすじ
魔王軍を滅ぼした勇者は、地球から召喚された人間だった。
ならば、その故郷ごと絶望させてやる。
元魔王軍の首席罠師ルークは、復讐のため現代日本に極悪ダンジョンを作り上げた。
床の粉塵に紛れた不可視の鋼線。
わずか0.12秒だけ開く退避地点。
攻撃すればするほど足場を奪うボス。
すべて、人間を本気で殺すために設計した罠である。
ところが地球のダンジョンには、死亡しても入口へ帰還する「魂帰還」の仕組みがあった。
そして最初の犠牲者は、自分の死亡映像を見返して叫んだ。
「待て、ちゃんとヒントあったぞ! 神調整じゃん!」
死にゲー狂いの配信者たちは、死ぬほど喜んだ。
高速攻略に命を懸けるRTA走者。
殺意すら遊び場に変える天才探索者。
自分から罠を踏んでデータを取る重装タンク。
ルークが殺意を高めるほど、彼らは攻略に熱狂する。
絶望させるほど、なぜか投げ銭と称賛が増えていく。
「違う。俺は貴様らを楽しませているのではない」
これは、人類を絶望させたい元魔王軍の罠師と、
その殺意を最高難度のゲームとして楽しんでしまう人類による、
終わりなきダンジョン攻略戦。
――殺意100%。ただし人類からの評価は「神運営」。