あらすじ
女子大生5人が出会ったのは、腹の出た49歳の酒飲みだった。
日雇い。女好き。口は悪い。
本人は何度呼ばれても、「先生じゃねえ」と言う。
なのに。
ボクシングのことだけは、妙に知りすぎていた。
真面目すぎて全部を背負う綾乃。
人とぶつかることを避ける美波。
強く打てるのに、相手を傷つけることを怖がるひまり。
正しいデータを集めるほど、判断が一歩遅れる千尋。
ボクシング一家に生まれ、自分自身の拳を探す律。
正式な部ですらない5人の女子大ボクシングチームに、なぜか居ついてしまった男。
彼は答えを教えない。
褒めもしない。
コーチになるつもりもない。
ただ、選手が負けたときだけ言う。
――次は?
彼女たちには、まだ次の試合がある。
その男には、なかった。
これは、次の試合を失った男が、誰かの「次」を作るようになるまでの物語。