あらすじ
紀元前73年、共和政ローマ。
人間が人間を所有し、奴隷たちの命さえ娯楽として消費された時代。
剣闘士スパルタクスもまた、自らの生死を他人に決められる一人だった。
闘技場で剣を握れば、生き残るために目の前の人間を殺さなければならない。
勝者には歓声が送られる。しかし、勝って生き残ることは、本当に「自由」なのか。
やがてスパルタクスは仲間たちと剣闘士養成所を脱走する。
鎖を断ち、自由を手にしたはずだった。
しかし彼を待っていたのは、単純な解放ではない。
自由を求めて集まる人々。故郷へ帰りたい者。ローマへの復讐を望む者。戦うことのできない者。そして、巨大な力となった彼らを鎮圧しようとするローマ。
虐げられてきた者なら、力を手にした時、何をしても許されるのか。
生きることと、人として生きることは同じなのか。
これは英雄が世界を救う物語ではない。
一人の剣闘士が、戦い、迷い、時に過ちと向き合いながら、「自由とは何か」を自らの生き方で探していく物語。
史実に残るスパルタクスの反乱をもとに、人間の尊厳、復讐と正義、支配することとされること、そして自ら選んで生きる意味を描く歴史長編です。
『世界史志華録』第三作。
本作単独でもお楽しみいただけます。