あらすじ
レモンの香りがする部屋
引っ越したばかりの古いマンション。
高校生の遥は、誰も使っていないはずの隣室から毎晩聞こえてくる物音に気づいた。
カタ……カタ……。
ある夜、廊下に出ると、そこには誰もいない。
ただ、強いレモンの香りだけが残っていた。
翌朝、管理人に尋ねると、隣室は十年前から空き部屋だという。
「前の住人? ……亡くなったんですよ」
その日から、遥の部屋に奇妙な変化が起こり始める。
写真に知らない少女が写り込む。
スマートフォンに存在しない番号から着信が入る。
そして午前零時になると、隣室の扉が少しだけ開く。
中を覗いた遥は、壁一面に貼られた大量の写真を見つける。
その写真には――自分が生まれる前の遥の姿が写っていた。
なぜ、彼女は自分を知っているのか。
そしてレモンの香りが意味するものとは――。