あらすじ

人の名前を忘れた頃、植えた覚えのない花が咲くことがある榛野町。 四十八歳の高瀬早紀は、軽度の認知症と診断された八十一歳の母・澄江を毎週土曜日に訪ねている。 母は料理も買い物もこなし、娘の好みも覚えている。 ただ、人の名前だけが少しずつ出てこなくなっていた。 庭に咲いた白い花を、町では昔から「名前花」と呼ぶ。 母が忘れた名前と花を記録すれば、抜けていくものをつなぎ止められる。 そう考えた早紀はノートを作る。 けれどある日、母は尋ねる。 「あなた、名前なんだったかしら」 それなのに、早紀の花はどこにも咲かなかった。 名前を忘れることは、その人を忘れることなのか。 母娘の間に残る日常を描く、少し不思議で静かな全4話のヒューマンドラマ。

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エブリスタ
エブリスタ2026/09/18
  • 現在の作品母が私の名前を忘れた日、花は咲かなかった