あらすじ
容姿端麗で、学業も優秀な姉。
幼い頃から常に比較され、劣等感と冷めた諦めを抱えて生きてきた。
姉が悪いわけではないと分かっていても、込み上げる憎悪を抑えきれず、何度も意地悪な言葉で傷つけた。
それでも姉は一度も怒ることなく、ただ困った顔で「ごめんね」と繰り返すだけだった。
そんな姉が死んだ。
いなくなって初めて気づく。
私は、姉が何を思い、何を感じて生きていたのか、何ひとつ知ろうとしてこなかったことに。
部屋に残されていた姉の痕跡をたどるうち、いつも静かに笑っていた「人形」の素顔と、決して届くことのなかった想いが明かされていく。