あらすじ
洋上閉鎖特区『クレイドル』。
中央AI『ミネルヴァ』が統括するこの街では、与えられる「演算帯域(リソース)」の数値がそのまま人間の価値を決める。
上層で贅沢を貪る帯域90%以上のエリート達。一方、帯域を奪われた底辺生徒は、激痛を抑える冷却剤すら配給されず地下で使い潰される。
不良債権の隔離病棟『残滓収容室』に放り込まれた黒峰零夜の帯域は、前代未聞の【0.000%】。
誰からも価値を見出されない完全なゴミとして、静かに廃棄を待つ……はずだった。
「騒ぐな。俺の帯域消費はゼロだ。誰にも気づかれずに殺せる」
零夜の正体は、物理法則を沈黙させ、熱と運動をゼロで上書きする規格外のバグ――『絶対零点』の保持射。
目立てば即解体。生き残る為の生存戦略はただ一つ、無能のゴミを完璧に演じきること。
そのために選んだのは、体内の「魔術原点」の排熱で激痛に狂いかけていた少女を盾に仕立て上げることだった。
「取引だ。俺はお前の激痛を消す。お前は俺の力を偽造する盾になれ」