あらすじ
魔法の使えない【勇者】グリムは、ダンジョンにて殺される。
――次に彼が目覚めたのは、彼を【魔王】と呼ぶ異形たちの地下世界だった。
銀幕に閉ざされた地上の世界で、『ユグドラ』を攻略し青空を取り戻そうとする勇者。
暗い地底の世界で、『ユグドラシル』を使い侵略者から身を護ろうとする魔王。
一つのダンジョンを異なる視点から見る、二つの世界。
死を迎えるたびに、グリムはその二つを往復する。
人と異形。
侵略者と簒奪者。
護るべき立場と敵対すべき相手が、命の終わりとともにすれ違い続け、 相反する二つの運命が刃となって、彼の心を苛む。
正しいと信じていたが、歪みが見え始めた地上。
間違っていると知りながら、否定しきれない地下。
死に戻りを繰り返す中、グリムは世界の歪みから『真実』を知っていく。
信じていた正しさを失いながらも、彼の永劫回帰が途切れることはない。
いつか、真実の奥にある意味へ到達するその瞬間まで――。