あらすじ
「あ、すみません……」
気弱な“10%ブースター”のその子は――指先ひとつで、世界を「なかったこと」にする。
能力者を集め、S・A・B・C・Dに格付けする学園。その最底辺に近いCクラスに、
灰原葵はいる。持てる力は「他人を一割だけ強くする」だけ。何もできない、無能なサポート役。
――というのは、すべて演技だ。
その正体は、二代目・必要悪。表向きの力の裏で、彼女は誰にも気づかれぬまま、
テロも、裏切りも、暴走も、学園の綻びのすべてを、静かに“消し去って”いる。
畏れられれば人は離れ、頼られれば際限がなくなる。だから彼女は、無能を演じ、日陰に立ち続ける。
その異常に気づいてしまったのは、同じ班のモブ――感覚共有でつながる双子だけ。
気弱なはずのあの子が見せる、理解不能な“静けさ”を、二人は震えながら見届けていく。
強さは、結果と畏怖だけで示される。仕組みは、決して明かされない。
主人公は絶対に無双して勝つ。だが「なぜ勝てるのか」は最後まで謎のまま――
モブ視点のミステリーと、圧倒的な主人公最強が交差する、ダーク能力者学園譚。
そして物語の果てに、まっすぐな正義が現れる。
「こんな腐った仕組み、俺が全部ぶっ壊す」と宣言する、転生勇者。
悪にならなければ世界を守れない者と、悪をなくせば世界は救えると信じる者。
――どちらが正しいのか、最後まで、誰にも分からない。