あらすじ
「あの日、君がくれたのは、傘じゃない。明日だった。」
七年前、高校三年生だった白石沙夏は、何もかもが嫌になった雨の日、名前も知らない高校一年生の少年と出会う。
何があったのか無理に聞かず、ただ黙って話を聞いてくれた彼。
そして別れ際、一本の黒い傘とともに言葉を残した。
「今日が最悪でも、明日まで最悪って決まったわけじゃないだろ。」
その一言に救われた沙夏は、名前すら知らない少年を忘れられないまま七年の月日を過ごす。
そして二十五歳になった春。
沙夏が勤める会社に、一人の新入社員がやってくる。
如月蓮、二十二歳。
無愛想に見えるけれど、本当は不器用で優しい年下の後輩。
なぜかその声や仕草に、沙夏は懐かしさを覚えて――。
一方の蓮は、七年前の出来事を覚えていない。
忘れられない女と、覚えていない男。
七年前の雨の日に一度だけ交わった二人の時間が、職場での再会をきっかけに再び動き始める。
年上の先輩・白石沙夏 × 恋愛経験ゼロの年下新入社員・如月蓮。
そして沙夏と同い年の同期・神谷直人も加わり、少しずつ変わっていく三人の関係。
これは、過去の思い出に恋をする物語ではない。
七年越しに再会した二人が、
今の互いを知り、
もう一度、恋を始める物語。