あらすじ
魔力を持つことが当たり前の世界で、三人の少年少女が出会った。
かつて冒険者だった義理の姉が見てきた世界を、自分の目で見てみたい少女。
己の名を上げ、いつかあるひとに自分の存在を知らしめたい双子の兄。
そして、少女への淡い想いから、半ば不承不承ながら二人についていく双子の弟。
三人には、ひとつの共通点があった。
――誰一人として、魔力を持っていない、という。
それでも彼らは冒険者となり、魔法と神々の力が息づく世界を巡る旅へ出る。
街を渡り、国を越え、様々な人々と出会いながら、三人はそれぞれの目的を胸に旅を続けていく。
彼らを見守るのは、少女の義理の姉、大公国を治める不老不死の魔女。
かつて勇者たちと共に世界を旅し、戦い、人間の国を築いた彼女は、神罰によって視力を失い、今は隠遁の身となっている。
溺愛する義妹の旅立ちに、彼女が持たせた装備は少々……いや、かなり過剰だった。
しかし、三人が旅先で目にするものは、華やかな冒険だけではない。
人工ダンジョンの生成が、なぜかいつもより遅い。
昔と同じレシピで作ったポーションが、以前と同じ効果を示さない。
そして、神々の世界にさえ一部の神の「失踪」と呼ぶべき異変が起こり始めていた。
魔力、魔素、神の力――
誰もが当たり前だと思っていたものが、少しずつ変わり始めている。
まだ気付く者は少ないものの、世界を支えてきた基盤が、静かに変化しているのだ。
やがて三人は、自分たちが生きる時代そのものが、大きな変化のただ中にあることを知ることになる。
これは、世界が変わりゆく時代に生まれた三人の若者が、それぞれの想いを胸に世界を巡る、長い旅の物語。
いつか自分たちの旅が、遠い未来の誰かによって語られることになるとも知らずに――。
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