あらすじ
自己評価はゼロ。特技は空気になること。今日も心の中で「私のような道端の石ころが」と唱えながら、深沢のぞみは静かに高校生活をやり過ごそうとしていた。
……はずだったのに、なぜか気づけば「のぞみ様」と呼ばれ、しまいには「クラスの魔王」に認定されてしまう。
謙遜のつもりの自虐が、なぜか毎回とんでもない方向に誤読される。本人だけが置いてけぼりのまま、伝説だけがどんどん独り歩きしていく。
そんな彼女のことを、クラスの人気者・山崎浩太は「謎だ」と言って、なぜか構いたがる。
からかわれているのか、気にかけられているのか。のぞみ自身にも分からないまま、二人の距離はどこか少しずつ変わっていく。