あらすじ
飢餓に苦しむ、切り離された田舎の村。
一人、また一人と村人は倒れてゆく。次は誰が死ぬかと体を震わせる日々。
そんな中、何処から噂を聞きつけたのか。近くの山に住む“ヒトガタ”と呼ばれる化け物が交渉を持ちかけてきた。
「村の長の娘を私に差し出せば、私が消えるまで村の豊作を約束してやろう」と。
こうして、村長の長女である古橋純子(ふるはしすみこ)は“ヒトガタ”のもとへ行くこととなる。
が――
「其方、長の娘では無いな」
***
其の山には、忘れ神が居た。
私たちが皆忘れてしまった。
もう戻れないのだ。
異形の姿と成したその神は、人々から恐れられるようになった。
何年も。
何十年も。
何百年も。
いつしか神で有ることさえも知る人は減ってゆき、人の認識により完全なる“化け物”へと変わっていった。
――これは生贄になれないはずの生贄と、神にはもう戻れない化け物の物語。
※気まぐれ執筆です。暇なときに更新するので、記憶に残しておいて頂きたく存じます。