あらすじ
【あらすじ】
慶長五年、関ヶ原。
西軍に与した九州の雄・立花宗茂は、大津城攻めで武功を挙げながらも、本戦の敗報とともにすべてを失った。
柳川十三万二千石は召し上げられ、一夜にして無禄の浪人へ。
京都の路地裏での耐乏生活、他家へ去っていく旧臣たち、肥後高瀬で身を寄せる仲間たちの葛藤。
敗者たちがそれぞれの「生きるための道」を選んでいく中、宗茂は去る者を追わず、一切の弁明もせず、ただ静かに時代の激流を見つめていた。
二〇年後――関ヶ原で改易された西軍大名の中で、ただ一人。
旧領・柳川への奇跡の復帰を果たした男が、城門の前で手綱を握る手を静かに放した瞬間、その胸に去来したものとは。
【本書の改稿・新装ポイント】
初稿が持つ物語の熱量やストーリー展開はそのままに、歴史叙述技法(鳥瞰と都市史的解説、三層視点の導入、人間と時代の往復)を取り入れ、より深く、より洗練された形で再構成いたしました。
鳥瞰と地政学的解説:東西陣営の動向、大津城の戦略的価値、当時の社会構造を俯瞰する視点を挿入。
三層視点の導入:【人物の現在】【語り手の観察】【歴史の俯瞰】を自在に往復し、人物の決断の意味を立体化。
人間と時代の往復:英雄譚にとどまらない、敗戦の影で泥臭く生き抜いた家臣たちの群像劇と歴史の交差点。
大きな歴史のうねりと、小さな人間の生き様が交錯する歴史小説の醍醐味を、一気読みでぜひお楽しみください。