あらすじ

遠野の山あいにある、小さな村では長雨が続き、洪水によって田畑も家も流され、人々は追い詰められていた。 そんな中、祈祷師が持ち出したのは、水神に人間を「御供」として捧げるという古い習わしだった。 本来、神に選ばれたのは庄屋の一人息子・新之助だったが、庄屋は跡継ぎを失うことを恐れ、占いを偽って、小作農の少年・弥吉を身代わりにしてしまう。 弥吉と新之助は、身分こそ違っても、幼いころから兄弟のように育った親友だった。 「村を守る神になれる」 そんな大人たちの言葉を聞かされ、弥吉は白装束を着せられて淵へ連れていかれる。いよいよ彼が水へ沈められようとしたそのとき、庄屋の家に伝わる翡翠が奇妙な光を放つ。 そして、水神が連れていったのは――。 遠野の河童伝承をもとに、人身御供、身分差、村社会の欺瞞を描いた和風怪異譚。 人が神意をねじ曲げたとき、最後にその報いを受けるのは誰なのか。

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カクヨム
カクヨム2026/09/18
  • 現在の作品御供淵