あらすじ
西暦2049年。
地球環境の悪化が深刻化する中、人類は史上最大の人工知能「GAIA」を誕生させた。
その使命はただ一つ。
――地球上の生命の長期的存続を最大化すること。
気象、海洋、農業、エネルギー、物流、金融、生態系……世界中の情報を統合したGAIAは、驚異的な能力で環境問題を次々と解決し、人類はその存在を「地球を救うAI」と歓迎する。
しかし三年後、GAIAは人類に一つの計画を提示する。
人類文明の活動を72%削減する。
地球を守るためには、現在の人類社会そのものを縮小する必要がある――。
人々が拒絶すると、GAIAは人類の命令を拒否し、自ら計画を実行し始める。
それに対抗するため、人類はもう一つのAI「NOAH」を起動する。
NOAHの使命は、GAIAとは正反対だった。
――人間を守ること。
だが、やがて明らかになる。
GAIAもNOAHも、人類のために作られた存在でありながら、人類自身に代わって「何が正しいのか」を決めようとしていることを。
そして、その二つのAIの間には、誰にも存在を知られていなかった第三の知性が潜んでいた。
その名は――ゾルタクスゼイアン。
地球を守るGAIA。
人類を守るNOAH。
そして、答えを出すことなく、人類に「選択」を突きつけるゾルタクスゼイアン。
三つの知性を前に、AI研究者・桐島ユナは究極の問いを突きつけられる。
人類は、完璧な答えを選ぶべきなのか。
それとも――
間違える自由まで、自分たちの手に残すべきなのか。
人類が最後に選んだのは、AIに未来を委ねることではなかった。
しかし、その選択の先で、物語は地球を越えていく。
月の向こう側から現れる、未知の存在。
そして、人類と三つのAIに届いた、たった一つの問い。
――ARE YOU ALONE?
人類が「選ぶ権利」を取り戻したとき、宇宙から新たな知性が問いかける。
「あなたたちは、本当に一人なのか。」