あらすじ
寿永三年、一月末。
源氏との戦に備え、福原に集う平氏一門。
平重盛の子・平師盛、十四歳は、幼い頃から慕ってきた平知盛の背中を追い、自分もまた戦う者になろうとしていた。
やがて平氏は、一ノ谷へ迫る源氏を迎え撃つため軍を分ける。
師盛が向かうことになったのは、源氏の搦め手が通ると予想された三草山だった。
初めて立つ戦場。
炎と鬨の声に恐怖しながらも、知盛から託された三草を守ろうとする師盛。
そして戦局が大きく動き、平氏の敗色が濃くなったとき、師盛は一度は離れた一ノ谷へ戻ることを決意する。
そこには、自分がずっと追いかけてきた知盛がいる。
知盛に認められたい。
その背中に少しでも近づきたい。
そんな想いを胸に、師盛は再び戦場へ向かう――。
一ノ谷の戦いを舞台に描く、平師盛十四歳の短い物語。
『雪月花義経抄』外伝。