あらすじ

「無能な地図師よ、お前との婚約を破棄する」 魔力を持たない宮廷地図師ヴィオラは、王太子アルヴィスと寵姫セレナの前で断罪され、婚約破棄を言い渡される。魔法測量による「美しい地図」を崇める宮廷で、足で歩いて描く彼女の手描き地図は「時代遅れの落書き」と嗤われてきた。 だが、ヴィオラには前世――現代日本の国土地理院で測量技師として働いた記憶があった。三角測量、等高線、地形判読。魔力に頼らずとも、その正確さは世界の誰より優れている。そして彼女は気づいていた。セレナの魔法測量図が、致命的に間違っていることに。 実家からも縁を切られ、国外追放同然に王都を追われたヴィオラ。手にしたのは、数年をかけて自らの足で描き上げた、完全に正確な国境地帯の地図ただ一巻。 エルデニアは、敵国リューグナーへの侵攻を計画している。セレナの欠陥地図を頼りに進軍すれば、軍は存在しない橋で崩落し、雪崩地帯で全滅するだろう。黙って見ていれば、祖国は勝手に自滅する。それは、ざまぁ、なのかもしれない。 それでも彼女は北へ歩き出す。復讐のためではなく、この地図を正しく使われるべき場所へ届けるために。 辿り着いたリューグナー辺境で待っていたのは、『冷酷無比の戦鬼』と恐れられる竜人将軍ガイウス。地形を読めずに部下を失い続け、ずっと道に迷ってきた不器用な男との出会いが、捨てられた地図師の運命を大きく変えていく。 前世の測量知識で、私を捨てた祖国の運命が決まる。そして私は、描くべき新たな道を見つける――。

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小説を読もう2026/09/18
  • 現在の作品無能と嗤われた宮廷地図師の私、婚約破棄されたので敵国へ渡す最後の地図を描き上げます ~前世の測量知識で、私を捨てた祖国の運命が決まりました~