あらすじ
宝くじで8億円を当てた。
その金の一部で居酒屋を経営していた男は、豪邸を建てるでもなく、世界一雨の降る場所へ旅に出た。
向かったのは、インド北東部メガラヤ州の山奥。
雨と霧に閉ざされた村には、完成まで百年かかる「生きた木の根の橋」、口の中を真っ赤に染めるクワイ、朝搾りたての強烈に酸っぱいライスビールがあった。
日本から持ってきたスパイスで料理を作れば、現地のお父さんに怒られた。
「そんな手に入らないもの使って、商売を教えるな」
……正論だった。
金はある。
日本で培った飲食店の経験もある。
だが、世界一雨の降る村では、そんなものがそのまま通用するほど甘くない。
飯を食い、酒を飲み、人と話し、雨に濡れる。
8億円を持った元居酒屋オーナーの、泥まみれの秘境滞在記。