あらすじ
シャワー中に異世界へ飛ばされた。しかも全裸。
そして数分後、魔物に襲われて死んだ。
原因は――神様の人違い。
「すみません。転移させる人と場所を間違えました」
「上司を呼べ!」
ゲームとラノベが生きがいの38歳会社員・尚木は、神様の雑すぎるミスで人生を終えた。
お詫びとして転生と特別な力を提示された尚木が望んだのは、最強の剣でも無限の魔力でもない。
「ゲームみたいに、集めて、作って、試せる能力が欲しい」
そうして手に入れたのは、《インベントリ》《クラフト》などを備えたゲーム風の能力。
これで異世界生活も楽勝――かと思いきや、この能力、まったく答えを教えてくれない。
薬草を拾ってもポーションにはならない。
石を集めても武器にはならない。
知らない素材の使い道が表示されるわけでもない。
ゲームで知っているやり方が、この世界の魔物にそのまま通用するとも限らない。
なら、自分で試すしかない。
薬草を潰す。
縄を作る。
石の形を揃える。
魔物に試す。
失敗したら、原因を考えて作り直す。
そうして一度“作り方”を見つければ、《クラフト》はそれを新たな手札として記録していく。
やがて尚木は、魔物のことになると妙に目の色が変わる凄腕剣士ミグレナと出会い、冒険者として未知の素材や魔物へ挑んでいく。
ゲームの知識はある。
けれど、この世界に攻略本はない。
最初から正解なんて分からない。
最強の力だって持っていない。
それでも――
拾った石も。
薬草も。
魔物の素材も。
失敗した経験さえも。
使い方が分かれば、全部が攻略の手札になる。
これは、正解の用意されていない異世界で、
「ないなら作る。違ったなら直す」を繰り返しながら、
自分だけの攻略法を一つずつ増やしていく男の異世界クラフト冒険譚。