あらすじ
ミアス公国の王女フィアルは、幼少期から帝王学を叩き込まれていた。
剣術に魔術、そして外交の知識から地政学、国家間のやり取りの仕方。そして何より、さる転移者から教わった『現代知識』に至るまで。
それも全て『ルイン王国』に嫁ぐための『最高傑作』に恥じないものになるために。
自分を押し殺し、ただ王国の礎になろうと思っていたフィアル。
「フィアル、君のいうことは全て正しい。現代知識を疑ってはいけないんだ」
そんな彼女を嫁ぎ先のリュシアン王子は確かに溺愛し、全肯定してくれた。
「王子は優しいし幸せだけど……なんか変ね……」
だが、あまりに全肯定するその姿に疑惑を感じたフィアルは、気が付いてしまう。
彼のそれは愛情によるものではなく、前世でフィアルと婚約破棄をした結果、壮絶な断罪を受けて殺されたことに起因することを。
そのトラウマと民を巻き添えにした罪悪感が彼に
「自分では何も考えない。フィアルは全て正しい。これだけ信じて生きていこう」
と、考えるようにさせたと知る。
「うわ……私、前世でそんなひどいことやってたの……?」
さらに彼が受けていたあまりの断罪のえげつなさ、そして彼が抱えているトラウマの深さを理解したフィアルは決意した。
「それならいっそ『私が私の浮気相手』になればいいんだ! これから私は『道化師ライア』になって王子のトラウマを解消してあげよう!」
……と。
そして昼は聖女として現代知識を使って内政を行い、夜は『道化師ライア』としてリュシアン王子の元に行って距離を縮めることにする。
だが、彼女は知らなかった。
「フィアルの持つ『現代知識』はうわべだけのものであり、致命的な弊害があったこと」
に。
それに対してリュシアンは影ながらサポートしながら、悪友のような関係になった道化師ライアと手を携え、愛する妻である聖女フィアル(同一人物だが)を影ながらサポートすることになる。