あらすじ

それは普段と同じ日常だった。 いつも通りに朝早く家を出て、近くの狩場へと向かう。 少し違うところがあるとすれば、昨日拾ったナイフを持っているくらいか。どうも対魔のコーティングがされているようで、ちょっぴり頑丈な良いナイフだ。 早くこのナイフで試し切りがしたい、そんな事を考えていると、ふ、と気づいた。 この場所を、いや、この時間を知っている気がする。草むらを掻き分け、大樹を左に曲がり、獣道を沿って歩いていく。 そう、そうすると出会うはずだ。思い出した。 如何にも旅人ですと言わんばかりの襤褸を身に纏い、フードで顔を隠した人間。そいつとは、もう何度も、いや何百と出会っているはず。 知っているのは何故か。 当たり前だ。 何百と殺され、気づけばこの場所に居る。繰り返しているうちに、身体のどこかが覚えているのだ。 人間が向かってくる。腰を低く落とし、駆け、低い体勢のまま右足を放つ。 蹴られた。そう思った瞬間に意識は飛び、 また、森の中にいた。 いつもと変わらない日常。昨日拾ったばかりなのに、妙に慣れた気のするナイフ。 何百と一回目の、日常が始まった。

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カクヨム
カクヨム2021/01/03
  • 現在の作品やっぱりゴブリンは勇者を殺せないのだろうか?