あらすじ
王立レンハルト学園では生徒にNからSまでの値がつき、Sだけが勇者パーティとして前線へ送られる。Nランクの後方支援科にいるヴィオラは、装備の分割払いの帳簿を回している。前世は信用金庫の与信管理担当で、誰が伸びて誰が落ちるかを剣ではなく数字で当ててきた。
卒業選抜の日、各科の首席に《推挙》が一度だけ与えられる。生徒ひとりのランクを一段上げられる権利だが、上がった分の学費免除は、誰かの段を一つ下げて捻出するしかない。上げれば、必ず誰かが落ちる。
三月の終わり、貸し出した治癒薬が三年前から月に六本だけ返ってきていないと分かった。それなのに、棚の数は合っている。伝票を一枚ずつ繰ったヴィオラは、この学園で誰が何を庇っていたのかを知る。一票を使う相手と、落とす相手を決める。