あらすじ
【PROJECT PRIZMVERSE】
本作は単独で楽しめます。他作品を読んでいなくても問題ありません。
昨日まで隣で寝ていたやつが、人間の袋から尻尾だけ出していた。
俺は小さい。爪も弱い。逃げ込んだ穴には、俺を食う虫までやってくる。
そんな俺が拾ったのは、人間の落とした、光る魔道具だった。
押せば光る。虫が怯む。
――なら、腹を噛める。
初めて自分で獲物を倒した日、身体の奥に二つの未来が見えた。
速く逃げる脚か。敵を裂く爪か。
両方は選べない。変われば、今までの穴にも入れなくなるかもしれない。
声を盗む怪異とは、獲物を半分にする約束をした。
逃げるだけだった穴には、少しずつ帰ってくるやつが増えた。
明日の飯が欲しい。食われずに眠りたい。
そのためなら、道具も罠も、仲間の力も使ってやる。
足音がしただけで、寝床を捨てるのはもう嫌だ。
次のダンジョンボスには、俺がなる。