あらすじ
声が出せない精霊術師の少女、リリー。
ある夜、彼女は不思議な夢を見る。
白い雲のような地面と、どこまでも続く赤い花の道。
その先で待っていたのは、緑色の髪とエメラルドの瞳を持つ、美しく不思議な女性だった。
彼女の名は
イズーナ。
懐かしさと神々しさを併せ持つイズーナとの出会いをきっかけに、リリーは少しずつ世界の隠された真実へと触れていく。
精霊は、神から遣わされた存在ではない。
五人の精霊は、かつて魔王によって生み出された魔族だった。
そして現在、彼女たちは封印され、苦しみ続けているという。
自分がこれまで精霊術師として使ってきた力が、その封印された魔族から奪い取ったものだと知ったリリーは、自らの行いに罪悪感を抱く。
そんな彼女に、イズーナは一つの願いを告げる。
「少しばかり、お身体を拝借させていただけませんこと?」
それは、かつてグラッドから警告された「魔物落ち」と関係しているのか。
そして、イズーナが「主様」と呼ぶ存在。
その名は
アスター。
夢と現実を行き来する中で、リリーは世界の真実と仲間たちの秘密に近づいていく。
やがてリリーは、イズーナを信じることを決める。
「少しだけなら…身体を貸してもいいよね」
その選択が、リリーの運命を大きく動かしていく。
「…おいしい」